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廃墟なのに世界遺産?長崎県端島(軍艦島)ってどんな島?

取材・写真・文:

愛知在住
訪問エリア:47都道府県

2017年9月11日更新

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写真:ひさし

長崎県長崎市にある「端島(はしま)」。現在では廃墟の無人島ですが、明治から昭和にかけては炭鉱業で栄えた島で、2015年に近代化産業の遺産群の一つとして世界文化遺産に認定された島です。今回は通称「軍艦島」とも呼ばれる端島について紹介します。

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端島(軍艦島)の概要

端島とは

長崎半島(野母半島)から約4.5km、長崎港から南西に約19kmの沖合いにある周囲1,200mの小さな島で、明治から昭和にかけて海底炭鉱の採掘で栄えた島です。

エネルギー源が石炭から石油などの別資源に移行していった為に、1974年(昭和49年)に炭鉱が閉山、同年の4月20日に無人島となり、現在へと至っています。

  • 写真:ひさし軍艦島資料館(資料館内のパネルを写したもの)

端島の成り立ち

もともとは南北に320m、東西に120mの瀬を、1897年から6回に渡る埋め立て工事を行い、現在の島の形を形成しました。島のシルエットが太平洋戦争当時の軍艦「土佐」に似ていた為、後になって軍艦島(通称)と呼ばれるようになりました。

  • 写真:ひさし軍艦島(海上より)

端島の歴史

1810年頃に石炭が発見され小規模の採掘が行われていましたが、1890年に三菱合資会社の経営となり、本格的な採掘作業が開始されました。石炭の採掘量の増加に伴い島の人口も増加しましたが、1974年の閉山にともなって住人が島を離れ、無人島となりました。

  • 写真:ひさし軍艦島(海上より)

炭鉱の仕事

三菱合資会社が経営を始めてから1974年の閉山までに、約1,570万トンの石炭を採掘。採掘作業は、海底1,000m以上の場所まで進められました。鉱内は気温30℃以上、湿度95%以上と悪環境であり、しばしばガス爆発が起きるなど、常に危険と隣り合わせの環境で採掘作業が行われていました。

  • 写真:ひさし軍艦島(海上より)

島での暮らし

狭い島内に、最盛期には約5,300人の人々が生活していました。周囲1,200mの小さな島ですので、人口密度は当時の東京の9倍と言われています。

島内には、学校や病院、商店など生活に必要な機関の他、映画館やパチンコ店等の娯楽施設も揃っていました。島内は狭い為、高層の鉄筋コンクリートのアパートが立ち並び、島の人々の居住空間となっていました。また、当時一般家庭では憧れであった家電製品、テレビ、冷蔵庫、洗濯機がほぼ全ての家庭で揃っていました。

  • 写真:ひさし軍艦島(海上より)

島で見学できる主な建造物

第二堅坑坑口桟橋

採掘の主力であった第二堅坑に行く為に設けられた桟橋です。今でも階段部分が当時の原型を留めています。

  • 写真:ひさし第二堅抗抗口桟橋跡

総合事務所

鉱山の中枢であったレンガ作りの建物です。鉱山で働く人たちの為の共同浴場など、周辺には多くの建物があったそうですが、現在ではほとんどの建物が崩壊しており、レンガ壁の一部が残っているのみです。

  • 写真:ひさし総合事務所跡
  • 写真:ひさし総合事務所跡

30号棟・31号棟アパート

全盛期には多くの炭鉱マンとその家族が生活した島には、居住空間として多くのアパートが島内に建てられました。

見学広場からは、日本最古の高層アパートと言われる、7階建ての鉄筋コンクリート造りの30号棟アパートを見学することができます。

  • 写真:ひさし30号棟・31号棟アパート

端島へのアクセスと見学方法

島に行くには

長崎港から出ているクルーズツアーに参加します。ツアー運行会社は4社あります。事前にネット等で比較して予約してから出掛けましょう。料金はツアー会社によって異なりますが、4,000円前後が目安の金額です。

乗船時間は片道約45分で、島の周りも周遊してくれます。船上から眺める端島の全景は軍艦そのものです。

  • 写真:ひさし長崎港
  • 写真:ひさし軍艦島(海上より)

島内見学

島内は立ち入りエリアが決められています。ツアー会社の同行コンシェルジュの案内に従って移動する形になります。見学できる主な建物は、先の記述を参照ください。

ツアー時間は、事前説明、乗船時間も含め4時間程かかります。時間には余裕を持った計画を立てましょう。また、波が荒く上陸できない場合もあります。

上陸に当たっては多くの注意事項、禁止事項があります。ツアー会社からの案内をよく聞いて、安全に島内見学を楽しんでください。

  • 写真:ひさし軍艦島
  • 写真:ひさし軍艦島
端島
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住所:長崎県長崎市端島地図で見る
Web:https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/51797

軍艦島資料館

  • 写真:ひさし軍艦島資料館

長崎市内から車で40分程、長崎半島(野母半島)のほぼ先端に位置する資料館で、目の前の海岸から海に浮かぶ軍艦島の姿を臨める場所にあります。

館内では海底で採掘する過酷な炭鉱の仕事の内容や、島での暮らしの風景などがパネル展示などで紹介されています。また、ムービーで島の紹介をしているコーナーもあります。島に渡る前に立ち寄っておくと、より一層島の見学を楽しむ事ができるでしょう。

移動手段が車ではない場合、長崎市内からバスも運行しています。運行時間等は事前に調べておきましょう。

  • 写真:ひさし軍艦島資料館
  • 写真:ひさし野母半島案内図
  • 写真:ひさし野母半島より望む軍艦島
軍艦島資料館
長崎 / 雨の日観光 / 博物館
住所:長崎県長崎市野母町562番地1地図で見る
Web:http://www.at-nagasaki.jp/spot/61067/

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