サースク(Thirsk)は、イギリス北部にある人口5,000人ほどの田舎町です。中世の頃にマーケット・タウンとして栄えた歴史を持ち、その名残は現在の街中でも見ることができます。また、ヨーク三山(Yorkshire Three Peaks)や国内最大の湿原がある2つの国立公園に挟まれた場所に位置するため、街から一歩外へ踏み出すとすぐに美しい自然に出会えます。この記事では、筆者がサースクで見つけたおすすめの観光スポットを13選にしてご紹介します。観光から宿泊まで、参考になる情報が満載です!
この記事の目次表示
サースクは、どんな街?
サースクは、イギリス北部にあるノース・ヨークシャーにあります
サースクはイギリス北部にあるノース・ヨークシャーにある田舎町で、中世の頃はマーケット・タウンとして栄えた長い歴史を持つ街です。モウブレイ低地(Vale of Mowbray)と呼ばれる、太古に氷河によって削られてできたなだらかな窪地にあって土壌が豊かなため、農業や家畜の放牧が盛んに行われてきた地域です。
ノース・ヨークシャの西側にはヨークシャー渓谷国立公園(Yorkshire Dale National Park)があり、東側にはイギリス最大のムーア(湿原)が広がるノース・ヨーク・ムーア国立公園(North York Moors National Park)があります。国内の他地域に比べて比較的長く古い文化が継承されてきた地域でもあり、歴史的な遺産や豊かな自然が多く残っているのも特徴です。
マーケット・タウンとしての栄えた街サースク
マーケット・タウンとは、かつて都市部と村などの集落を区別するために使われていた街の呼び名です。イギリス国内のあちらこちらに点在していたマーケット・タウンでは、マーケットが開催される日になると、食料品や日用品などの生活必需品を売り買いするために多くの人が訪れ賑わいました。
マーケット・タウンとしてのサースクの歴史は、1145年までさかのぼります。マーケット・タウンのシンボルである時計塔やマーケット広場は870年以上がたった現在でもその姿を残し、月曜日と土曜日には、今も変わらずマーケットが開かれています。サースクは時計塔を中心にお店や博物館、銀行などが集まり、街の規模としては小さいです。
周辺の自然
ノース・ヨークシャーの西側にあるヨークシャー渓谷国立公園(Yorkshire Dale National Park)は、ヨーク三山(Yorkshire Three Peaks)と呼ばれる700m級の3つの山があり、38.6kmの道のりでこれら三山を12時間以内に征服する「ヨーク三山チャレンジ」というイベントも行われています。また、山麓には洞窟や鍾乳洞が多くあり、湧き水が豊富に流れています。
東側には、ノース・ヨーク・ムーア国立公園(North York Moors National Park)があります。イギリス最大のムーア(湿原)が広がり、ジュラ紀の地層からなるこの地域では、今でも恐竜の化石が見つかります。
サースクへの行き方
サースクに行くには、国内の主要都市をつなぐ鉄道を利用すると便利です。
- (鉄道)ロンドン出発の場合:キングクロス(King Cross)駅からGrand Central Railwayでサースクへ。所要時間は約2時間10分。
- (鉄道)マンチェスター空港出発の場合:Manchester Airport駅からTransPennie Expressでサースクへ。所要時間は約2時間8分。
- (鉄道)リーズ、ヨーク出発の場合:リーズ駅、ヨーク駅からGrand Central Railwayでサースクへ。所要時間は約15分。
サースクのおすすめの観光スポット13選
サースクは、時計塔を中心にお店や博物館などが集まる、こぢんまりとした街です。ですので、これからご紹介する場所は隣接した場所にあるため、すべて徒歩で行くことができます。
それでは、サースクの魅力が詰まったオススメの観光スポット13選をご紹介します!
1. Thirsk Clock Tower (サースク時計塔)
街の中心地にある石造りの時計塔で、1896年にヨーク公ジョージ・フレデリック(後のジョージ5世)とメアリー・オブ・テック(現在の女王エリザベス2世の祖母)の結婚を記念して建てられました。
かつて国内に点在していたマーケット・タウンには、その中心地にMarket Crossという十字標が建てられていました。もともと、このサースク時計塔がある場所には十字標が建っていたそうで、マーケット・タウンで栄えた頃の雰囲気を感じる歴史的なスポットです。
- サースク時計塔/サースク・マーケット・プレイス
- イギリス / 建造物
- 住所:5A Station Rd, Thirsk地図で見る
2. Thirsk Museum(サースク博物館)
イギリスで生まれた競技「クリケット」の選手で、歴史的人物でもあるトーマス・ロードの生家だった建物を博物館に利用しています。サースクの街の歴史や文化を紹介する他、ビクトリア様式の寝室の再現や、「サクソン・ジャイアント」と呼ばれる、身長が2メートル以上あったとされる6世紀頃のサクソン人の骨などが展示されています。
ところで、突然ですが、座る人は皆死んでしまうという呪われた椅子「バズビーズチェア」をご存知でしょうか?日本のメディアでも取り上げられたことがある有名な椅子ですが、実はこの博物館にある「コッテージのキッチン」に展示されています。
「バズビーズチェア」には、結婚を反対した義父を殺害した罪で絞首刑に処されたトーマス・バズビーの呪いかかっていると言われています。処刑後はあるパブに置かれていましたは、パブが閉鎖する2012年までの間に、「バズビーズチェア」に座った62人が亡くなったと言われています。博物館では、天井に届くほど高い壁の上部に椅子を固定し、「バズビーズチェア」に二度と誰も座らないように展示しています。
- サースク博物館
- イギリス / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:14-16 Kirkgate, Thirsk, North Yorkshire YO7 1PQ地図で見る
- 電話:01845 527707
- Web:http://www.thirskmuseum.org/index.html
3. The World of James Herriot (博物館「ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット」)
サースクは、イギリス・ヨークシャー地方で奮闘する若い獣医師の物語を描いた自伝的小説『ヘリオット先生奮闘記』の舞台であることでも有名です。物語に出てくる診療所兼自宅「スケルデール・ハウス」の建物は今も残っており、現在は博物館として一般公開されています。
博物館にはヘリオット先生が活躍した40年代の獣医診療所や生活様式が再現されており、館内はタイムカプセルのよう。家畜について知ることができる様々な学習ツールなどの展示物は、子供も大人も一緒になって楽しめます。獣医学に特化した専門の展示エリアは世界でも珍しく、イギリス国内ではここが唯一の場所です。
ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット博物館を取り上げた記事【イギリス・サースク】1940年代のタイムカプセル!博物館「ワールド・オブ・ジェイムズ・ヘリオット」の見どころ15選!では、博物館の内部や自伝的小説『ヘリオット先生奮闘記』のストーリーを、たくさんの写真と共に紹介しています。是非こちらもご覧ください!
- ワールド・オブ・ジェイムス・ヘリオット
- イギリス / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:23 Kirkgate, Thirsk, North Yorkshire地図で見る
- 電話:01845524234
- Web:https://worldofjamesherriot.com/