桑名の名物といえば「蛤」。その蛤を、昭和21年から提供し続けている、老舗の洋食レストランです。様々なメニューがある中、おすすめは「蛤セット」。洋風にアレンジを加えここでしか味わえない料理として大人気です。
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桑名で蛤(はまぐり)が有名なワケ
桑名 の名物といえば 蛤(はまぐり) 。桑名方面に遊びに行くのであれば、是非とも食べたい地産地消の食材ですね!
その桑名の蛤を美味しくいただけるお店をご紹介したいのですが、その前に少し、なぜ桑名で蛤が有名なのかを知りたいと思いませんか?
洒落言葉にもある 「その手は桑名の焼きはまぐり」
有名な洒落言葉として、 「その手は桑名の焼きはまぐり」 があります。これは 「その手は食わない(そのてはくわない)」、の語呂合わせから生まれた、“そんなうまい言葉を並べても、その手には乗らないぞ ”という意味の洒落言葉です。
この言葉が生まれたのは、江戸時代。桑名は、東海道五十三次 、いわゆる 東海道 の宿場町として栄えていました。宿の数からして、東海道の中では2番目の大きさだったそうです。そんな桑名の街道沿いでは、蛤を焼く光景がよく見られたことから、この洒落言葉が生まれたのですね。
桑名の海は山からの豊かな栄養がたっぷり
桑名は伊勢湾沿いに位置しますが、そこはちょうど、木曽川・長良川・揖斐川の、いわゆる 木曽三川 が流れ込んでいるのです。川は山の豊富な栄養を運んでくるため、桑名にある川の水と海が混じる浅瀬は、まさに蛤が棲むのにピッタリな場所。だから、桑名の蛤は、柔らかく身がつまって美味しいのですね。
一時は壊滅的な状態に。今は人工干潟で保護
しかし、そんな蛤も、実は一時は壊滅的な状況に陥りました。昭和50年ごろ、日本が高度経済成長で湧いていた頃です。蛤が棲む干潟がどんどん無くなり、年間3,000トンほどあった収穫量が、なんと、1トン以下まで落ち込んでしまったそう。
「これでは絶滅してしまう!」と、危機感を持った桑名の人たちは、人工干潟を設け、稚貝を放流するなど、これまではまぐりの保護活動が続けられてきました。現在は200トン前後まで回復してきていますが、まだまだ保護活動は続いており、漁が行われるのは週3日、収穫量は1人あたり1日15キロまでと決められています。
まだまだ、かつてのような生産量ではありませんが、江戸時代から歴代将軍に献上されるなど、日本においては「やっぱり蛤と言えば桑名」という認識が染み付いていますね。
昭和21年創業の老舗 「れすとらん あずまや」
そんな桑名には、当然、蛤のお店がたくさんありますが、その中でも、特に店内の雰囲気もお料理も味のあるお店が「れすとらん あずまや」さん。なんと、昭和21年に創業 という老舗です。
蛤を食べられるお店というと、和食をイメージするかもしれませんが、あずまや さんは 洋食レストラン。外見も、ヨーロッパの古い街並みにありそうなデザインです。
昭和21年に創業された頃は、とても斬新なレストランだったのではないでしょうか。それから時は経ち、今となっても、また他にはないような外観かと思います。
店内は、天井が吹き抜けになっていて、開放感ある造り。肩肘張らない、家族でワイワイできるような、アットホームな雰囲気です。
洋風にアレンジされた「蛤セット」がおすすめ!
あずまや さんの蛤料理は、もちろん洋風にアレンジされています。全部で5品あり、アラカルトでも頼めますが、それを少しずつセットにした「蛤セット」が人気もありオススメ! 蛤の旬は春ですが、お店では年中いただけます。
今回は、その「蛤セット」 をご紹介いたします。
まずは、洋風焼き蛤3種 。トマトソース、オリーブオイルバジル、チーズの3種です。パン粉が少しふりかけてあり、焼かれて香ばしくなっています。アラカルトだと、3種×2セットの6個入りで1,500円。
2品目は 蛤のグラタン 。蛤の出汁が効いていて、いわゆるシーフードグラタンの味わい。おいしいです。アラカルトでは、普通のグラタン皿で出されるので1,200円です。
3品目には、蛤のクラムチャウダー です。日本のクラムチャウダーはアサリを入れることが多いのですが、本場アメリカのイングランドでは ホンビノス貝 を通常は使います。そのホンビノス貝に近いのが、蛤。美味しくないわけがありません。とっても濃厚な味わいです。アラカルトでは、500円です。
4品目の蛤料理は、蛤のフライ 。貝のフライは、普通のレストランではなかなか見かけませんね!時期や大きさにもよるかもしれませんが、5つほど盛られています。高熱で揚げることで、蛤の旨みが外に逃げることなく、中にギュッと凝縮されているような味わい。アラカルトでは、もう少し量も多く盛られているので1,500円。
そして、もう一品は、ライス または しぐれ茶漬け が選べます。下の写真は、しぐれ茶漬け です。ライスの場合はお食事の最中に出されると思うのですが、しぐれ茶漬けは最後に漬物と一緒に出されます。これもアラカルトで食べられて、500円です。
しぐれ と言うのは「時雨蛤」のこと。調味料で黒っぽく煮しめられ、生姜のアクセントも美味しく、ご飯のお供としても人気高いですね。これも江戸時代からあり、当初は「煮蛤」と呼ばれていたそうですが、松尾芭蕉のお弟子さんが、「時雨の降る10月に煮蛤を造り始めるから、時雨蛤ではどうか」と命名したんだそう。
以上の5品が、蛤セットでは2,800円! とてもリーズナブルに、いろんな蛤料理が楽しめるのは嬉しいですね。(価格は2024年3月の税込価格です)
蛤料理だけじゃない!豊富な洋食メニュー
あずまや さんは、洋食レストラン。そのメニューは、蛤以外にも、とてもたくさんあります。
以下は、和牛ステーキコース の一例です。メインはサーロイン180g。ヒレステーキのコースもあり、アラカルトであればグラム数も選べます。
冷たいオードブルは 生ハム 、温かいオードブルは 洋風焼き牡蠣 。季節によって変わると思います。牡蠣もこの界隈での海の幸です。
- 出典:blog.goo.ne.jp
- 出典:blog.goo.ne.jp
コースの〆のデザートもボリューム満点!
他にも、ビーフ料理、ポーク料理、チキン料理、ハンバーグ料理、シーフード料理、カレーやオムライス、スパゲティなどの軽食、またコンビメニューもあります。オードブルやお子様メニュー、セット料理も。
メニュー数がとても多いので、はまぐりに興味がない方と一緒に行っても安心。お子様からご年配の方まで幅広く愛されているお店です。
好立地!「七里の渡し」や「桑名城」のすぐ近く
あずまや さんの最寄駅は 桑名駅、歩くと20分、タクシーなど車では8分ほどの揖斐川の方にありますが、この周辺は、見どころたくさん!
東海道で唯一の海路であったのが、桑名と宮を結ぶ 「七里の橋渡し」。今は「国営木曽三川公園」になっており、あずまや さんは、そのすぐ近くにあります。
また、桑名城天守台跡 を含む 九華公園(きゅうかこうえん) も、すぐ近く。イベントも多く行われ、桜、つづじ、花菖蒲の時期はとっても賑わっています。
桑名城は、徳川家康の四天王の1人、本多忠勝 が建てたお城。公園の車通りからは、大きな本多忠勝の像も見られます。
最後に・・・
あずまや さんをイチオシするするわけは、これまでご紹介したとおり、とても美味しいのにリーズナブルという、コストパフォーマンスの良さと、肩肘張らない居心地の良さ。老舗レストランで、ゆったり楽しいひと時を、お楽しみください。
- れすとらん あずまや
- 三重 / 洋食・西洋料理 / ランチ / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:三重県桑名市川口町10地図で見る
- 電話:0594-23-1800
- Web:https://restaurant-azumaya.com/