古くから「水の都」と呼ばれている長崎県島原市。雲仙山系の伏流水が市内随所から湧出し、全国名水百選にも選定されています。その為、綺麗な水路に「鯉の泳ぐまち」として有名で、湧き水で作るデザート「かんざらし」も人気の逸品です。
この記事の目次表示
島原名物「かんざらし」とは
白玉粉で作った1.5cmほどの小さな団子を、茹でて水にさらして冷やします。それに特製シロップをかけたのが「かんざらし(寒ざらし)」です。原料であるもち米を、大寒の日に水にさらす習慣があったことが由来しているとか。
昔は贅沢品であった砂糖や蜂蜜などを使ったかんざらしは、お客さまをもてなすデザートとして親しまれていました。とてもシンプルですが、もちっとしたお団子と、上品な甘みのシロップがベストマッチ。お団子をさらす水はミネラルを含んだ湧き水の為、この土地ならではの島原を代表する名物スイーツとして有名です。
元祖かんざらしのお店「銀水」
大正4年創業の元祖かんざらしのお店です。以前は名物おばあちゃんが1人で切り盛りしていましたが、亡くなって20年程、空き家となっていました。その後、市が改修を行い名店の復活に至りました。
多くの著名人にも親しまれた当時の味をそのままに、新たなお店「銀水」として親しまれています。週末は待ちが出ることもある程の人気となっています。
お店の前には「浜の川湧水(※後述)」が湧いており、地域住民が汲みにきたり、食器を洗うなどの利用をしています。銀水も、こちらの湧き水を店内に引き込み、お団子を冷やしたり、特製シロップを作ったりしています。
とても趣のある建物と店内。縁側の席に座れたならラッキー!湧水のある風景を眺めながらスイーツをいただいてみてください。
- 銀水
- 長崎 / ご当地グルメ・名物料理 / スイーツ / 甘味処
- 住所:長崎県島原市白土桃山2丁目1093番地地図で見る
- 電話:0957634610
- Web:https://www.city.shimabara.lg.jp/page3470.html
浜の川湧水
「銀水」の目の前にある、島原を代表する湧水スポットです。かつて海だったこの地域ですが、1792年5月に、島原地区の背後にある眉山が大崩壊をおこし、土砂が海を埋め立ててしまいました。この出来事から、陸になった場所に湧き出した湧水のひとつが「浜の川湧水」です。
「浜の川湧水」は、貴重な水を無駄なく使えるよう、4つの区画に水を流し込み、用途に合わせて使っています。食品を洗うところ、食器を洗うところなど、上から順に湧水を利用していく合理的な仕組み。現在も地域住民が管理し、生活に密着した湧水として知られています。
銀水と浜の川湧水へのアクセス
電車の場合、「島原鉄道 島原船津(南島原から改名)駅」から徒歩約6分。駐車場も近くに完備されていますが、とても細い道です。駐車場からは、さらに細い路地を少し歩くと「銀水」があります。路地裏感漂う道中も、なんだか昔にタイムスリップしてしまうかのような雰囲気です。「浜の川湧水」とセットで、是非訪れてみてください。