ポートメイリオンに関する記事・第2弾では、ポートメイリオンにあるカラフルでユニークな建物や銅像たちをご紹介します。これらは、「自然の美しさを損なわずとも、開発することはできる」と考えたイギリスの建築家クラフ・ウィリアムズ・エリス(Sir Clough Williams-Ellis)が創り出したリゾート村・ポートメイリオンの、不思議な魅力のある景観を生み出している重要な存在です。その多くがイギリス指定建造物(Grade II)にも指定されています。(第1弾記事は本文中にて紹介)
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ポートメイリオン(Portmeirion)とは?
どんなところ?
ポートメイリオンは、イギリス南西部に広がるウェールズのグウィネズ(Gwynedd)という州にあるリゾート村です。
ドゥイリド川(River Dwyryd)の河口を見下ろす丘に広がる東京ドーム11個分の敷地には、コテージやショップとして営業するカラフルな建物や庭園、散策路が巡る自然豊かな森などがあります。イタリアの町にいるかのような村の雰囲気や、刻一刻と姿を変える河口の景色が壮大で、ポートメイリオンは360度どこを向いてもフォトジェニックな場所です。
なお、ポートメイリオンの全貌は、こちら第1弾の記事【イギリス・北ウェールズ】360度フォトジェニック!リゾート村「ポートメイリオン(Portmeirion)」の全貌!でご覧いただけます。ポートメイリオンについて日本語で紹介する記事やサイトが少ないため、とても貴重な情報でもあります!
ポートメイリオンの生みの父「クラフ・ウィリアムズ・エリス(Sir Clough Williams-Ellis)」
ポートメイリオンは、イギリスの建築家クラフ・ウィリアムズ・エリス(Sir Clough Williams-Ellis)氏によって、約51年をかけて創り出されました。
クラフ氏は「自然の美しさを損なわずとも、開発することはできる」という考えを実現するために、ポートメイリオン村の建設を計画し実行しました。村には10のエリアがあり、精巧な模様が彫られた石積みのコロネーデやタウンホール、石像、カラフルに彩られた数々のコテージなどが並び、その多くがイギリス指定建造物(Grade II)に指定されています。
中にはイギリス西部からはるばる運ばれて来たものもあり、それぞれにユニークな物語があります。それでは、そんな建物たちをご紹介していきましょう。
- ポートメイリオン
- イギリス / 町・ストリート
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
ポートメイリオン(Portmeirion)の不思議な魅力を醸し出す、建物たちを紹介!
その1. トール・ハウス(Toll house / Tollty)
1929年に完成したトール・ハウスは、バッテリー・スクエア内でも初期に建てられた建物です。トール・ハウスとは料金所という意味で、建築当時は訪問者がポートメイリオン村に入るための手続きをした場所でした。
外壁に下がるベルは門番を呼び出す際に使用するためのもので、脇に立つ白と青の縞模様のポールは、入村規制をする際に使用されました。バルコニーに立つ聖ピーター像は、トール・ハウスの目印でもあります。また、屋根の上(後方)に飛び出て見えるのは、入り江を一望できる見張り塔です。
1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されたトール・ハウスですが、現在はセルフ・ケータリングで宿泊できるコテージとして利用されています。
- トール・ハウス
- イギリス / 貸別荘・コテージ
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
ヒツジの切り抜き(Sheep cut-out)
バルコニーからぶら下がるヒツジのサインは、ウェルシュ・ウール店のサインとして発案されたもので、クラフ氏が下書きし、娘のスーザン(Susan William-Ellis)が完成させました。スーザンはポートメイリオンで使用される生地やカーペットのデザインを手掛け、陶器ブランド「ポートメリオン」はすべて彼女がデザインしています。
- ヒツジの切り抜き
- イギリス / その他スポット
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
その2. ザ・ベル・タワー(The Bell Tower / Y Twr Clychau)
スラッと背の高いザ・ベル・タワーは、「ポートメイリオンに注目を集めたい」と考えたクラフ氏が設計し、1928年に建てた鐘塔です。
塔には文字盤が2つ以上ある古いタレット時計が見えますが、これはロンドンにあった醸造所で使用されていたものです。また、塔の上部には現在も定時刻に鳴り響くベルがあり、ザ・ベル・タワーは、今でもポートメイリオン村の中で一際目を引く建物となっています。
ザ・ベル・タワーは、1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されました。
- ザ・ベル・タワー
- イギリス / 建造物
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
その3. ザ・ラウンド・ハウス(The Round House / Y Ty Crwn)
1959年から60年にかけて完成した建物で、呼び名の通り丸い形とアーチの入り口、大理石のローマの像が特徴的な可愛らしい佇まいです。ザ・ラウンド・ハウスは1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されていて、現在はイギリスの人気テレビドラマ『The Prisoner』のグッズを販売するショップになっています。
邦題『プリズナーNo.6』で知られ日本にもコアなファンが多くいる『The Prisoner』は、スパイを辞めたイギリス人の主人公が何者かに拐われ、国籍もわからない見ず知らずの村で目を覚ます・・という物語で始まるドラマです。風光明媚で不思議な雰囲気のあるポートメイリオン村や付近の入り江はその撮影に使われ、主人公が目を覚ましたのがここザ・ラウンド・ハウスです。
- ザ・ラウンド・ハウス
- イギリス / おみやげ屋
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
その4. パンタイル・ロッジア(Pantiled Loggia)
ポートメイリオン村に突如として現れる金色の仏像は、1958年に公開された映画『The Inn of the Sixth Happiness(邦題:六番目の幸福)』の撮影で使用されたものです。後にクラフ氏が引き取り、ポートメイリオン村へやってきました。
仏像が安置されているパンタイル瓦のロッジアは、1963年から64年にかけて完成し、1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されました。建物の周囲を中国の墓石が囲み、中国人の考古学者が施した彫刻が施されたパゴダ(仏塔)になっています。
- パンタイル・ロッジア
- イギリス
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
その5. ザ・パンテオン(The Pantheon / Gromen)
1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されたザ・パンテオンは、古代ローマの円形神殿を思わせる八角形の半球天井が特徴の建物です。1961年に完成しました。
建物の正面にせり出す白い大きなヴィクトリアン調のポーチは、チェシャー州のあるギャラリーの一部だったものを1938年にクラフ氏が手に入れたものです。
- ザ・パンテオン
- イギリス / 建造物
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/
その6. ザ・ピアッツァ(The Piazza / Y Sgwar Canol)
ポートメイリオン村の中央にあるザ・ピアッツァは、緑の芝と青いプールのコントラストがきれいな広場です。プールには噴水があり、暖かい日には素足で入って涼む人の姿も見られます。
ピアッツァは元々テニスコートがあった場所で、クラフ氏の娘スーザンと夫のユアンの勧めで造られました。ちなみに、1965年に完成した直後にドラマ『プリズナーNo.6』の撮影が始まったそうです。
- ザ・ピアッツァ
- イギリス / 広場
- 住所:Minffordd, Penrhyndeudraeth, Gwynedd, LL48 6ER地図で見る
- 電話:01766 770000
- Web:https://portmeirion.wales/