イギリス屈指の景勝地、湖水地方。日本人には『ピーターラビット』とその作者ビアトリクス・ポターゆかりの地として有名ですが、それ以外にも素敵な街がたくさんあります。ということで今回は、湖水地方北部にある「ケズウィック」をご紹介します。
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湖水地方とは
イングランドの西北部にある「湖水地方」は、多くの湖と山々が織りなす景観で世界遺産にも登録されているイギリス有数の観光・保養地です。
ロンドンから湖水地方の玄関口に当たる街「ウィンダミア」までは電車で4時間前後、バスで行くこともできますが、本数が少ないのに加えて移動に9時間前後かかるので、電車を利用する人が多いようです。
観光客の多くが、ウィンダミアや、その近くの「ボウネス」に滞在し、『ピーターラビット』の作者、ビアトリクス・ポターが晩年を暮らした「ニア・ソーリー村」などを訪ね、湖水地方最大の湖、ウィンダミアでのクルーズを楽しみます。
ケズウィックとは
ウィンダミアから北に40km、ローカルバス(555番)で約1時間行ったところにある街が「ケズウィック」です。もう少し北に行くと、もうスコットランドです。ウィンダミアが湖水地方の南の玄関口なら、こちらケズウィックは北の玄関口です。
英語では「Keswick」、普通は「ケズウィック」と呼びますが、こちらの人に言わせると「w」を発音せず「ケズィック」と呼ぶのが、地元っ子流なんだそうです。
ケズウィックの歩き方
まずは、マーケットスクエアへ
「マーケットスクエア」は、700年以上の歴史を持つ街の中心です。車は入れないので、子供連れでも安心して歩けます。
日常生活用品のお店からお土産屋さんまであらゆるお店が立ち並ぶほか、お洒落なカフェや高級レストラン、パブなど、飲食店もまさに「よりどりみどり!」。ケズウィックに来たら、とりあえずはここに足を運ぶのが一番。
- 出典:commons.wikimedia.orgPhoto by Diliff / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)
写真の中央、白いテントの後ろに見える建物が、この街のランドマーク「The Moot Hall」です。ここにツーリストインフォメーションセンターがありますから、情報収集したい人は、こちらでどうぞ。
さらに、毎週木曜日と土曜日には青空マーケットが開かれます。近郊でとれた新鮮な野菜や、手作りのお菓子、クラフト、洋服など、ユニークな品々が販売されます。地元民と観光客で活気にあふれるこの曜日を選んで行くと、旅とショッピングの楽しさが倍増します。
- The Moot Hall
- イギリス / 観光案内所・ビジターセンター
- 住所:The Moot Hall, keswick地図で見る
- マーケット・スクエア(ケズウィック)
- イギリス / 広場
- 住所:Market Square Keswick CA12 England地図で見る
ホープ公園を通って、湖に
マーケットスクエアから湖に向かってレイクロードを歩いて行くと、ホープ公園(Hope Park)を通ります。
色とりどりの花と緑にあふれるブリティッシュガーデンをのんびり歩いたり、公園内で行われるストリートパフォーマンスに足を止めたり、子供も大人も楽しめるミニゴルフ(パットゴルフ)に挑戦したり……と、様々な過ごし方ができる公園です。
ダーウェントウォーター(Derwentwater)クルーズ
この地方では「湖」のことを「レイク(lake)」とは呼ばず、「ウォーター(water)」や「ミア(mere)」「ターン(tarn)」という言葉を使います。そしてケズウィック観光で絶対外せないのが、このダーウェントウォーター(ダーウェント湖)でのクルーズです。
ホープ公園からレイクロードを進んで行くと、下の写真のような船着場(Keswick launches)に出ます。船の後ろに見える建物が切符売り場です。
写真に写っているのは、レンタルボートです。30分単位で借りられます。因みに料金は以下の通りです。この他にモーターボートもあるようが、船舶免許なしで借りられるかどうかはわかりません。
手漕ぎ大型(4-8名)30分-£15(約2,020円)1時間-£25(約3,360円)
クルーズ船が出発するのは、下の写真の船着場から。ここから大型の木造船に乗り込んで、クルーズに出発します。
大型の木造船は、観光目的だけではなく、湖上交通としても使われています。そのため、途中にある7つのスポットで乗客が乗り降りすることもあり、クルーズの所要時間はいろいろですが、湖を一周するのにかかる時間は約50分〜1時間です。
ノンストップの観光クルーズもありますが、本数は30分に一本程度です。ですが途中のスポットにとまりながら運行している便も含めるとかなりの便数があるので、便利に利用できます。
この他にも 1日パスや1週間パスあり
ダーウェント湖の面積は5.2㎢、湖上には4つの島と9つの小さな島があります。湖上の風景も美しいですが、周りを取り巻く山々とのコントラストもまた素敵です。山にはいくつかのハイキングコースがあるので、時間があれば山上からの景色を楽しむのもおすすめです。
- ダーウェント湖クルーズ チケット売り場
- イギリス / クルーズ
- 住所:Keswick CA12 5DJ United Kingdom地図で見る
足を伸ばしてキャッスルリッグストーンサークルへ
世界遺産「ストーンヘンジ」をご存知の人は多いのですが、ここケズウィックにも同じようなストーンサークルがあります。それがキャッスルリッグストーンサークル(Castlerigg Stone Circle)です。
ストーンヘンジは縄が張られているため、遠くから眺めることしかできませんが、このキャッスルリッグストーンサークルは出入り自由。石の上に座ったりすることもできちゃいます。
こんな風に48個の石が円形に並んでいます。何のために作られたのかというのは、今でも謎ですが、山々に囲まれ、羊がのんびりと草を喰むこの牧歌的な雰囲気に浸れるだけで、訪れる価値があります。
- キャッスルリッグ・ストーンサークル
- イギリス / 遺跡・史跡
- 住所:Castle Lane Keswick CA12 4RN England地図で見る
- Web:https://www.english-heritage.org.uk
どこに泊まる?
ウィンダミアやボウネスに泊まり、ケズウィックへは日帰りで、ということも可能ですが、ケズィックにもいろいろな宿泊施設があります。便利なのは、マーケットスクエアにあるB&Bやホテル。ダーウェント湖の周りにもスパ施設を整えた超豪華なリトリートから、ホテル、民泊までいろいろあるので、旅行スタイルにあった施設を探してみてください。
レンタカーで湖水地方をまわるなら、郊外の宿泊施設も考慮してみては?ファームの一区画を利用した施設が多く、朝食がついたベッドアンドブレックファースト(B&B)や、自炊施設、洗濯機などを完備したセルフケイタリング(Self Catering)など、いろいろなスタイルの施設があります。