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【イギリス・北ウェールズ】360度フォトジェニック!リゾート村「ポートメイリオン(Portmeirion)」の全貌!

取材・写真・文:

千葉在住

2020年5月12日更新

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写真:Noz

「自然の美しさを損なわずとも、開発することはできる」こう考えたイギリスの建築家クラフ・ウィリアムズ・エリス(Sir Clough Williams-Ellis)によって創り出されたポートメイリオン(Portmeirion)は、毎年20万人が訪れる、ウェールズ北部で最も人気のある観光地の一つです。美しいガーデン、カラフルで創造的な建物、地元のグルメが堪能できるレストラン、潮汐で刻一刻と姿を変える入り江を望むホテル、散策路が通る森など、リゾートの魅力が詰まったポートメイリオンの全貌をご紹介します。

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ポートメイリオン(Portmeirion)は、どんなところ?

どこにあるの?

ポートメイリオンは、イギリス南西部に広がるウェールズのグウィネズ(Gwynedd)という州にある、ペンリンダイドライス(Penrhyndeudraeth)という小さなコミュニティーにあります。

ドゥイリド川(River Dwyryd)が河口に流れ込む際にできる三角江(さんかくこう)にあるポートメイリオンは、潮が引くと5km以上先の対岸まで陸続きになる入り江を見下ろす崖の上に広がっています。近郊には、ウェールズ西海岸の港町ポースマドッグ(Porthmadog、約3.2km先)、 ミンフォルズ駅(Minffordd station、1.6km先)、スノードニア国立公園(Snowdonia National Park、約34km先)があります。

  • スノードニア国立公園(Snowdonia National Park)

東京ドーム11個分の敷地に広がる、10のエリア

  • 写真:Noz東京ドーム11個分(約130エーカー)の敷地は、入り江を望む崖の上に広がっています

「自然の美しさを損なわずとも、開発することはできる」と考えたウェールズ出身の建築家クラフ・ウィリアムズ・エリス(Sir Clough Williams-Ellis)が、1925年から約51年をかけて創り上げたポートメイリオン村。約130エーカーある村には10のエリアがあり、それぞれ違った光景が広がっています。

村の中心部エリアにはカラフルに彩られた数々のイギリス指定建造物や石像が並び、イタリアの町にいるかのような雰囲気です。また、入り江に近いエリアでは潮の満ち引きで刻一刻と姿を変える広大なドゥイリド川の景色が広がり、森のエリアでは野鳥が飛び交う豊かな自然が広がっています。

  • 写真:Noz
  • 写真:Noz入り江の自然に溶け込む村には、日が沈むと明かりが灯ります

360度フォトジェニック!ポートメイリオンの醍醐味は、景色にあり!

  • 写真:Noz

各エリアは散策路で繋がり、庭園や噴水、ベンチ、カフェ、レストラン、コテージなどが点在しているポートメイリオンの村の中は、どこを向いてもフォトジェニックな景色が広がっています。

ポートメイリオンでは、ガイドによるツアーに参加して歴史を知るもよし、気の向くままに散策するもよし!パークトレインに乗って森の散策路を周ったり、潮が引いた入り江の川底を歩いたり、カフェやレストランでゆっくりと過ごしたり、スパでリフレッシュしたり。どこで何をしていても、ふと見渡すと、そこには必ず美しい景色が広がっている・・それこそが、ポートメイリオンで味わえる一番の醍醐味といえます。

  • 写真:Nozカラフルで可愛い雰囲気が広がる、バッテリー・スクエア(Battery Square)のエリア
  • 写真:Noz波止場(Quayside)のテラスからの眺め

『The Prisoner』 (邦題『プリズナーNo.6』)の舞台!

  • 写真:NozプリズナーNo.6の、不思議な世界観を生み出した庭園

イギリスの人気テレビドラマ『The Prisoner』は、邦題『プリズナーNo.6』として1969年にNHKで初めて放送されるとたちまちに日本でも人気を呼び、多くの放送局で再放送されてきました。2018年には、日本ではじめての専門書『プリズナーNo.6 完全読本』が発行されています。

『プリズナーNo.6』は、スパイを辞めたイギリス人の主人公が何者かに拐われ、国籍もわからない見ず知らずの村で目を覚ます・・という物語で始まるのですが、その村の撮影舞台になったのが、ここポートメイリオンです。風光明媚なポートメイリオンで繰り広げられる主人公の葛藤や脱出劇は、その対極的な様子がとても印象的です。

現在でもイギリス国内外に多くいるコアなファンがポートメイリオンを訪れることもあり、ポートメイリオンでは、プリズナーNo.6に関連したイベントを開催しているほか、グッズを販売するお店「Prisoner Shop」などもあります。

  • 写真:Noz
  • 写真:Nozバッテリー・スクエア(Battery Square)にあるThe Round Houseは、The Prisonerのグッズが買えます

ポートメイリオン(Portmeirion)の全貌!

エリア1. ウェルカム・エリア(Welcome Area / Man Croeso)

  • 写真:NozWelcome Area(ウェルカム・エリア)の入り口

Welcome Area(ウェルカム・エリア)は、ポートメイリオンの入り口です。ポートメイリオンに入る際に購入する入村券の販売や、ガイドツアーの申し込みを受付しているWelcome Centre(ウェルカムセンター)や、公衆トイレ、カフェやお土産ショップがあります。

入村券は主に日帰り滞在の方を対象に販売していて、オフシーズン(11月~3月)は大人8ポンド(約1,300円)、60歳以上と学生は7ポンド(約1,190円)で、それ以外の時期(4月~10月)は大人13ポンド(約2,200円)、60歳以上と学生は11ポンド(約1,800円)です。なお、15歳以下の子供はいつでも無料です。

ポートメイリオンのホテルやコテージに宿泊する人は入村券を購入する必要はなく、レストランやガイドツアーでは、入村料金込みのメニューやコースの予約も受け付けています。

エリア2. クリフサイド(Cliffside / Pen Clogwyn)

  • 写真:Nozクリフサイド(Cliffside / Pen Clogwyn)の天辺に佇む、The Domeと展望テラス。その下にあるのがGrotto(洞窟)。

クリフ(崖)の上にあり、目前に入り江が広がる景色の美しいエリアです。

このエリアにあるクリフ・ハウス(Cliff House)はセルフケータリング(自炊)の宿泊施設で、キッチンやバスルーム、ダイニングルーム、ベランダ、3つの寝室があり、5名まで宿泊できます。Grotto(洞窟)呼ばれる見晴台のような建物や散策路からは、入り江の美しい景色が望めます。

エリア3. バッテリー・スクエア(Battery Square / Sgwar Y Batri)

  • 写真:Nozバッテリー・スクエア(Battery Square)にある鐘楼(The Bell Tower)

エリア2から崖に沿って進むと、尖った屋根の高い鐘楼(The Bell Tower)が目印のバッテリー・スクエア(Battery Square)があります。

1928年に建てられた鐘楼はポートメイリオンの創立者で建築家のクラフ氏が初期に建てた建築物の一つで、1971年にイギリス指定建造物(Grade II)に指定されています。現在でも定時になると鳴り響く鐘の音は、ポートメイリオンを訪れる人々を魅了してやみません。

バッテリー・スクエアには、鐘楼のほか、ホテルやセルフケータリングの宿泊施設やテラス付きのカフェがあります。また、売店でもあるThe Round House (丸い家)と呼ばれる特徴的な形の可愛い建物では、先述した『The Prisoner』のグッズを販売しています。

  • 写真:Noz入り江側から見た、バッテリー・スクエア(Battery Square)のエリア
  • 写真:NozThe Round Houseの入り口
  • 写真:NozThe Round Houseの外観。プリズナーNo.6にも度々登場する建物。

エリア4. セントラル・ピアッツァ(Central Piazza / Y Sgwar Canol)

  • 写真:Nozセントラル・ピアッツァ(Central Piazza)にあるThe Bristol Colonnade(ブリストル・コロネード)

エリア3から村の中心部に向かって進むと、セントラル・ピアッツァ(Central Piazza)があります。

セントラル・ピアッツァにはThe Bristol Colonnade(ブリストル・コロネード)と呼ばれる柱廊があり、噴水や庭園、グロリエッテ、チェス盤を模った広場も相まって、エリア4はまさにイタリアの広場にいるかのような雰囲気が漂います。

エリア5. サルテーション・スクエア(Salutation Square / Sgwar Y Gyfarchfa)

  • 写真:Nozサルテーション・スクエア(Salutation Square)

エリア4の後方には高台があります。サルテーション・スクエア(Salutation Square)はその高台に広がるエリアで、森へ続く散策路を跨いで建つ大きな凱旋門が目印です。

高台にあるこのエリアからは、ポートメイリオン村と、その先に広がる入り江、そして対岸の山々までを一望することができます。広場の脇にある18世紀に建てられたロッジスタイルの広い建物は、The Ship Shop(シップ・ショップ)と呼ばれるお店。陶器ブランド「ポートメリオン」のボタニックガーデンシリーズの食器をはじめ大小様々なインテリア用品や、書籍、イギリスのお菓子やポストカードなどを販売していて、お土産やショッピングにおすすめです。

広場にはテラス席があるCaffi Glasというお店もあり、地元の食材を使った美味しいイタリアンがいただけます。また、森へ続く散策路の入り口でもある広場は、15分弱をかけて森の中を1周するパークトレインの発着場でもあります。

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この記事を書いたトラベルライター

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東京生まれ、東京育ち、なのにイギリスと縁がある、関東在住のトラベルライターです。動物好きが高じて英語を習得し、イギリスを訪れるようになりました。今では旅行人と地元人の両方の視点で情報を集めています。一方で、下町情緒あふれる門前仲町、新旧の文化が入り混じる麻布など、近場を日帰りで散策するのも好きです。最近になり運転免許を取得してからは、六甲山や那須塩原など散策の範囲が大きく広がりました。^ ^ 新しいこと、美味しいもの、楽しいこと、、何でも知りたい、そして伝えたい!旅の計画から週末の予定まで、役立つ情報を発信していきます。

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