話題の「Go To Eatキャンペーン」!なんと京都にある大徳寺境内のお店「泉仙(いずせん)」でも利用することができます。この機会に、厳選された食材で作られた精進料理を、京都らしい風情を感じながらいただいてみてはいかがでしょうか。
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精進料理とは
肉や魚介などの動物性の食材を使わず、旬の野菜・豆類・穀物など植物性の食材を中心にそれぞれの素材の味や食感の良さを最大限に活かして調理し、仏道修行する僧などに対して施される精進料理。ヘルシーで栄養のバランスも良いため、健康志向の日本人や外国人観光客にも人気があります。
泉仙では、精進料理が一品一品丁寧に作られて美しく盛り付けられています。四季折々の京都らしいお料理が堪能できて、何とも幸せな時間を過ごすことができますよ。
食べ終えて記憶に残るのが「鉄鉢(てっぱつ)」の食器です!鉄鉢とは、僧が食物を得るために用いた鉄製の丸い鉢のことで、泉仙ではそれを形どった朱塗りの木製の器に盛り付けられた精進料理をいただくことができます。器は食べ終わると全て重ねることができて機能的!そして美しい!
泉仙 大慈院の場所や雰囲気
京都の臨済宗大徳寺派の大本山である「大徳寺」。その境内ほぼ中央にある大慈院(だいじいん)には、立花宗茂(たちばなむねしげ)や藤村庸軒(ふじむらようけん)のお墓があります。今回ご紹介する「泉仙 大慈院店」は、1963年からその大慈院の隣で営業する老舗精進鉄鉢料理店です。大慈院店の他、紫野店と嵯峨野店があります。
お店に向かうまでの小径には打ち水がされていて趣があり、気持ちが高まります。
靴は靴箱に入れて上がります。団体での利用も多いのでしょうか、団体の靴箱は右側で個人の方は左側に靴を入れるようになっています。毛氈の上を歩いて席へ案内されますが、室礼に重厚な風格を感じます。
畳に座布団という落ち着く空間です。お天気の良い日には外で食べることもできそうですね。
お寺での食事というとかしこまったイメージがありますが、スタッフのかたは気さくですので、気取らずにお食事をいただけます。お料理の説明は丁寧にしてもらえますし、質問にもしっかり答えてもらえますよ。
よく手入れされたお庭も素敵ですので、お食事の前後に是非ご覧になってくださいね。
泉仙 大慈院のメニュー
ランチは、4種類「あやめ(3,500円)」「ゆり(4,500円)」「ぼたん(5,500円)」「あおい(6,500円)」のコースがあります。
今回は、一番人気の「ゆり」コース(秋の献立)をご紹介します。
序盤から甘味・苦味・酸味など色々な味わいを楽しめる
まずはお抹茶とわらび餅でおもてなしを受けます。大徳寺は千利休が帰依したお寺であり、深い関わりがありますので気分が一気に戦国時代や安土桃山時代にタイプトリップします。背筋を伸ばし正座でいただきたいですね。
わらび餅は弾力がありますが、最後はフワッと溶けます。その後にいただくお抹茶は香り高く苦みのなかにまろやかさを感じます。
変わった形に折られた箸袋は、広げると内側に禅語が書いてあります。理解しやすいように訳も書いてありますよ。
食前酒を飲み干した後は、豆腐の白酢和え。もうこの時点で甘味・苦味・酸味など色々な味わいが楽しめていますね。
秋の彩が美しいお料理の数々
天ぷらは秋の食材と色合い!もちろん揚げたてサクサクです。一番右側に盛り付けてあるのは、裏ごししたさつま芋を固めて銀杏に型抜きされたもの。ちょっとした遊び心も感じられてリラックスできます。
一番印象に残ったお料理が、こちらの梅の甘露煮の天ぷらです。甘く煮てある梅に、ごく薄く天ぷら衣をまとわせて揚げてあるのですが、口に含むとほろ温い梅がとろけて優しい甘さが広がり、感激します。
さりげなく菊の葉があしらってあるのも素敵ですし、栗の渋皮煮もこの季節ならでは!芸術的に仕上げられた牛蒡や、味と食感のアクセントになるきくらげと山椒の実の佃煮、また道明寺粉で固められた柚子の皮の爽やかな味!全てが美味しくてお箸の動きが止まりません。
上の写真は、もっちりした海老芋の天ぷらに、餡がかかっています。見た目も味付けも良く、大満足!
冷やされた器に色鮮やかに盛り付けられていますね。菊の花がトッピングされていたり、人参が紅葉に型抜きされていたりと見た目からも細やかな心配りが伝わってきます。胡麻豆腐とくみあげ湯葉の食感の違いを楽しめます。
胡麻豆腐は精進料理の中で最も手間のかかるお料理ではないでしょうか。胡麻をすり鉢ですりつぶしたものに屑粉を加えて練り固めたものです。豆腐と名が付いていますが、豆は使われていませんよ(笑)