【大阪】静寂な境内の紅葉も美しい！富田林市「龍泉寺」を訪ねよう

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• 富田林市にある龍泉寺
• 境内を散策しよう
•    仁王門
•    聖天堂
•    本堂
•    龍泉寺庭園
•    咸古神社
• 秋の美しい紅葉を楽しもう
• 周辺観光スポット
•    観光農園
•    農業公園
• 龍泉寺へのアクセス
•    車で
•    電車・バスで
• おわりに

富田林市にある龍泉寺

• 写真：ゆきたか龍泉寺の入口。こちらで入山料を支払う。

龍泉寺（りゅうせんじ）は、大阪府南東部の富田林市にある、高野山真言宗の寺院です。推古天皇2年(595年)に創建されたと伝わる古いお寺は、嶽山（だけやま）と呼ばれる山の中腹にあり、周囲の山々を眺めることができます。

かつては大きなお寺でしたが、中世以降に衰退し、現在では、静かで鄙びた雰囲気が漂っています。境内には、鎌倉時代の仁王門や、池泉回遊式の「龍泉寺庭園」などが見られます。

ほかにも、春の桜、初夏のハナショウブ、スイレン、秋の紅葉が楽しめるほか、周辺には、観光農園、農業公園もあるので、ハイキングやドライブなどで立ち寄るのに適しています。

境内を散策しよう

龍泉寺の境内を散策してみましょう。重要文化財の仁王門や、名勝に指定されている庭園が見られます。入山料は、大人300円、子ども150円です。

仁王門

• 写真：ゆきたか龍泉寺の仁王門。この辺りからの景色も素晴らしい。

龍泉寺の入口から少し歩いたところにあるのが、仁王門です。鎌倉時代中期の建築と考えられており、多くの建築物が失われた龍泉寺で、貴重なものとなっています。昭和38年には、国の重要文化財にも指定されました。

こちらの門は、本柱とそれの前後の控柱の、合わせて8本の柱で支えています。このような構造のものは、八脚門（やつあしもん）と呼ばれ、現存しているものでは珍しいものだそうです。

門の中には、二体の金剛力士像が安置されています。こちらも、仁王門と同じ頃に造られたと考えられており、大阪府指定文化財となっています。力強く迫力ある姿を鑑賞してみてください。

この仁王門のあたりからは、お隣の奈良県との境にある大和葛城山、金剛山といった山々が良く見えます。晴れた日の景色は、特に美しいですよ。

聖天堂

• 写真：ゆきたか龍泉寺の聖天堂

仁王門をくぐり、参道を少し進んだ場所にあるのが、聖天堂です。こちらは、歓喜天を祀っているお堂です。江戸時代の建築で、古びた雰囲気ながら、端正な姿が美しいです。

本堂

• 写真：ゆきたか龍泉寺の本堂

仁王門の正面奥に見えている、少し大きな建物が本堂です。こちらも、江戸時代の建築とされています。堂内には、ご本尊の薬師如来が安置されています。仁王門から参道を通して見える様子が、とても美しいです。

龍泉寺庭園

• 写真：ゆきたか名勝に指定されている龍泉寺庭園は、静かで素朴な雰囲気が魅力。

本堂の左側には、龍泉寺庭園があります。池泉回遊式の庭園で、大きな池に3つの島が浮かんでおり、そこに橋が架かっています。

• 写真：ゆきたか池の中島に祠が建っている。昔は橋が架かっていたようだ。

この池に関する、古い言い伝えがあります。その昔、この地に住み着いていた龍が、里に住む人に害を与えていたため、馬子が祈祷によって追い払ったそうです。しかし、その後、池の水や水脈が枯れ、お寺や里が衰退してしまいました。

823年には、弘法大師が祈祷したところ、龍が再び戻ってきて、水も豊かになったため、池にできた3つの島に、聖天、弁財天、叱天をそれぞれ祀ったということです。

• 写真：ゆきたか

こちらでは、ハスやショウブ、スイレンといった花が楽しめます。筆者が訪れた秋には、咲いている花はほとんどありませんでした。

花が咲いていない季節の庭園は、特に写真映えするようなものではないかもしれません。しかし、鎌倉時代から残る庭園が、背後の山を借景にしつつ、一体化しているようにも見えるのは、素晴らしいです。都市部ではなかなか見られない景観ですし、素朴な庭園が好きな人には、たまらないものではないでしょうか。

咸古神社

• 写真：ゆきたか龍泉寺の境内にある咸古神社

咸古神社（こんくじんじゃ・かんくじんじゃ）は、龍泉寺庭園の北側にある神社です。古くは龍泉寺の鎮守社で、牛頭天王（ごずてんのう）を祀っていました。現在では、神八井耳命（かんやいみみのみこと）と、天太玉命（あめのふとだまのみこと）を合わせてお祀りしています。

秋の美しい紅葉を楽しもう

龍泉寺の境内は、秋に美しい紅葉で彩られます。参道や雑木林などで見られますが、参拝客は少ないので、運が良ければ独り占めできるかもしれません。ぜひ鑑賞してみてください。

• 写真：ゆきたか

駐車場から少し歩き、お寺の受付前まで来ると、鮮やかな紅葉が目に入ります。さらに進むとたくさんの紅葉が見られますので、こちらで入山料を支払って入りましょう。

• 写真：ゆきたか

入口を振り返ったところです。南側からの太陽に照らされ、紅葉が赤く輝いていて美しいですね。短いですが、モミジのトンネルのようにも感じられます。

• 写真：ゆきたか仁王門から本堂にかけての紅葉。

仁王門をくぐり、本堂へと続く参道付近も美しいです。規則的に植えられたものではなく、山に自然に生えているようなモミジの紅葉も、また良いものです。

• 写真：ゆきたか

本堂前の様子です。参道沿いでは、ドウダンツツジの紅葉も楽しめます。モミジが赤く色付き始めた頃に見頃を迎えるようで、筆者が訪れた際には、すでに色あせたり、葉が落ちたりしていました。

• 写真：ゆきたか

庭園付近でも紅葉が楽しめます。モミジの木は少ないようで、少し物足りないかもしれませんが、庭園の素朴さをより際立たせています。

• 写真：ゆきたか

仁王門の手前には、たくさんのモミジが植えられており、真っ赤に紅葉する様子が素晴らしいです。雑木林のような場所に、鮮やかなモミジの紅葉が点在しているので、少し歩いてみてください。

• 写真：ゆきたか

筆者は11月の中旬に訪れましたが、このように真っ赤に紅葉し、まさに最盛期といった感じでした。それにもかかわらず、訪れていた人は、他に2組ほどでした。紅葉の穴場的なスポットと言えるかもしれませんね。

周辺観光スポット

龍泉寺周辺には、散策に最適な観光スポットが、いくつかあります。お寺の境内や紅葉の鑑賞なら、15分から30分ぐらいで済むので、他のスポットも巡ってみましょう。

観光農園

山の中腹には、観光農園があり、秋には多くの家族連れなどで賑わいます。「やまびこ園」では、みかん狩り、芋ほり、栗ひろいが楽しめます。休憩所もあり、こちらからの景色も良いものです。

また、「城山オレンヂ園」でも、みかん狩りや芋ほり、栗ひろいが楽しめるほか、アスレチックや遊具、ミニ釣り堀もあるので、小さなお子さんでも退屈せずに過ごせそうです。

農業公園

農業公園の「サバーファーム」が、お寺から車で5分ほどの場所にあります。大きな花畑では、四季折々の花々が見られるほか、野菜の収穫体験、みかん、ぶどうなどの味覚狩りも楽しめます。農産物直売所やレストランもあり、これらの利用のみなら、入園料はかかりません。予約制ですが、バーベキューも楽しめますよ。

龍泉寺へのアクセス

車で

富田林市の国道309号「板持南」交差点を南へ入り、府道201号へ。道なりに進み「龍泉」交差点を右折し、約400メートル先で右折、オレンジラインへ。駐車場あり。

電車・バスで

近鉄長野線「富田林」駅下車　金剛バス東條線「吉年」・「府立こんごう福祉センター」・「甘南備」行きに乗車し、「龍泉」バス停下車、徒歩約15分

※金剛バスは、令和5年12月20日に、運行を終了する予定です。これより後にお出かけの際は、最新の情報をご確認ください。

おわりに

龍泉寺は、鄙びた雰囲気のお寺ですが、当時のまま残されている庭園、仁王門などは、価値のあるものでしょう。お寺からの景色も良く、ハイキングにも適しているので、紅葉や桜の時期におでかけするのも良さそうです。周辺の観光スポットと合わせて楽しんでみてくださいね。