イタリアで流行中の、農家に泊まる宿泊スタイル、アグリツーリズモ。数ある田舎体験の中でも、今回は南イタリア・ソレントにあるレモン農家をピックアップ!アグリの探し方・予約の仕方や楽しみ方などと共にご紹介します。
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アグリツーリズモとは
イタリアには、「アグリツーリズモ」と呼ばれる、農家に観光客が泊まれる宿泊スタイルがあります。アグリツーリズモ、とはイタリア語でAgri(農業の)+Toruismo(観光)からの造語で、「田舎に泊まろう!」ならぬ「農家に泊まろう!」です。
それぞれの地域の特色を反映した、個性豊かな農家に宿泊することができます。例えば、北イタリアだったらチーズ農家、中部イタリアだったらワイン農家、南イタリアだったらレモン農家やオリーブオイル農家など、興味にあわせて選べます。
「農家宿泊」とはいえ、農作業を本格的に手伝うというわけでなく、宿泊施設を備えた農家に泊まらせてもらう、日本でいうと民宿のような家族的な雰囲気です。田舎にステイするだけでなく、その地域の料理を宿のマンマ(お母さん)から習ったり、乗馬など自然体験ができる場所も多いです。
ソレントのレモン農家アグリツーリズモにステイ!
今回はアマルフィ海岸の西の入り口にあたるソレント郊外のアグリツーリズモをご紹介します。ソレントはレモンの一大生産地として有名ですので、レモン農家がおすすめです。
私たちがお世話になったのはこちら、’Il Giardino di Vogliano(イル・ジャルディーノ・ディ・ヴォリアーノ)’。敷地いっぱいにレモンの香りがあふれる素敵なアグリです。
アグリ宿泊施設の様子
母屋は3階建てです。中庭やテラスもあります。
- 写真:WAKI高い天井が気持ちよいダイニングルーム
- 出典:agriturismovigliano.it
お部屋は全部で7部屋です。私たちが宿泊した時期は一部改装中でしたが、ちょうど改装したてのきれいなお部屋に泊まらせていただきました。歴史を感じさせる建物ですが、このように適宜メンテナンスされているので不便はありません。
レモン農園
レモン農園は、数千本のレモンの木が生えるとても広大な敷地。主人のルイージさんによれば、こちらのレモンは、リモンチェッロ(南イタリア名産のレモンのお酒)工場に卸されているそうです。
なお、こちらの農園ではレモン収穫は年3回行っているため、基本的に、年間を通じて一定量のレモンの実がなっているとのこと。「せっかくレモン農家アグリに来たのに、レモンの実がない!」なんてことにはならないので、旅行者には嬉しい情報です。
朝食
こちらは朝ごはん。天気が良い日は屋上のテラスで頂きます。
眼下には色鮮やかなレモンの木々とナポリ湾、遠くにはべズヴィオ山を臨み、のんびりと一日を始められるなんて、なんという贅沢! 心が洗われます。「世界一の朝食」として有名なシドニーのパンケーキに勝るとも劣らない、こちらも「世界一の朝食」です。
レモンとオレンジのジャムも自家製です。お土産として買うこともできます。日本ではなかなか出会えないフレッシュな優しい味で、いくらでも食べられます。
マンマの料理教室
このアグリの特徴の一つにアグリのマンマによる家庭料理教室があります。私たちが宿泊した際は、ディナーにレモンの生パスタとナスのパルミジャーノを作りました。
ついさっき庭先からもいだばかりのレモンの皮を擦って、生パスタの生地に練りこみパスタを生成!もちろん私たちも、切ったり混ぜたり焼いたり・・・とお手伝い。
こちらはレモン農家ですが、牛や鶏も飼い、野菜も家庭菜園で栽培し、食卓に並ぶ食材はほとんど自給自足です。パスタで使う卵も産みたて。パルミジャーノのナスもお庭から収穫したもので新鮮!
この後は、リモンチェッロの作り方も実演していただきました。
アクセス
最寄りのバス停まで、ソレント駅からバスで20分です。バス停を降りてからアグリの敷地までは徒歩3分ほど。敷地の入り口からエントランスまでは急な坂道を10分ほど登ります。
バスはSITAバスとEAVバスと2社がありますが、EAVバスの方が本数が多く、20分ごとに運行されています。バス停は共通のことが多いですが、バスのチケットは別でそれぞれ販売されており、EAVチケットはEAVバス、SITAチケットはSITAバスの利用のみに限られますのでご注意ください。
なお、アグリの近くにチケットが買えるタバッキ等はありませんでしたので、ソレント中心部で帰りのアグリ⇒ソレント中心部へのチケットもあらかじめ買っておきましょう。
他のイタリアの路線バスと同じく、EAVの場合、車内の停留所案内はありませんでした。目印としては、アグリ最寄りのバス停近くに「Antico Francischiello」という地元でも有名なレストランがあります。レストランの名前を伝えて、周囲の乗客や運転手さんに「ここで降りたい!(Vorrei shendere a questo !)」といえば、到着した際に教えてもらえます。