プーリアはブーツのかたちをしたイタリアのかかとの部分にある州です。同じ南イタリアでもつま先の部分のナポリ辺りに訪れる人は多いですが、プーリアはあまり知られていません。しかし見どころがたくさんで人は親切なすばらしいところなんですよ!今日はそんな知られざるプーリアの魅力を紹介したいと思います。
この記事の目次表示
知られざる盛りだくさんのプーリアの魅力
プーリア州と言う名前は聞いたことがなくても、プーリア州にある「アルベロベッロ」は、近年日本のツアーでもナポリ中心のルートに組み込まれることもあるため、聞いたり実際に行ったことがある方もいらっしゃるかも知れません。
しかしプーリアの魅力は、三角屋根の不思議なかたちをしたかわいいお家が立ち並ぶ、「アルベロベッロ」だけではないんですよ。
筆者は旅行中に出会った、プーリアの地元の人から「おめでとう!あなたは世界で一番素晴らしい場所に来たのよ!」と言われました。
素朴でありながら長い歴史の中で取り入れて来た多様な文化が息づき、また美しい自然にも恵まれ、ローマやフィレンツェなど豪華で立派な建築物や史跡等の多い他の観光都市にはない、わびさび溢れる魅力を持った場所がプーリアです。
そんな地元の人も誇る、プーリアを訪れるべき理由についてご紹介します。
【1】様々な文化の交差点であったためたくさんの顔を持つ!
ヨーロッパと東方諸国との境目に位置するプーリアは、交易の窓口となったり、様々な異国の支配下に置かれたりしてきた歴史を持ちます。そのため同じイタリアでも、北部や中部とは異なるバラエティ豊かな文化を持ちます。
ここに来ないと出会えない、そんな風景があるのがプーリアです。以下に、一部ですがプーリアの主要な観光地をご紹介します。
レッチェ
プーリア州の南部サレント地方の中心の街「レッチェ」。スペインの支配下だった17世紀頃に数多く建てられた、特産の柔らかく加工のしやすい石灰岩を使った、手の込んだ装飾に囲まれたバロック様式の建築物からなる旧市街があります。
レッチェの石灰岩は、淡い乳白色なので街全体が柔らかい印象がします。
アルベロベッロ
プーリアの観光の目玉と言えるのが「アルベロベッロ」です。
とんがり屋根を乗せた石積みの、ちょっと他に見られないかわいいかたちのトゥルッリと言う、16世紀の半ばから約100年の間に建設された家々が集まって現存しています。この不思議な景観は、世界遺産に登録されています。
白い街 オストゥーニ、チステルニーノ他
プーリアには、町全体の建物が白く塗られた白い街がいくつか見られます。
写真は、アドリア海に面し標高218mの高台にある「オストゥーニ」です。こちらでは、静かな白い街の中に、ぽつぽつと土産物屋や美味しいレストランなどが現れ、散策が楽しいです。
イオニア海を隔てた南東にギリシャがあり、つながりがあった時代もあったため、プーリアには今でもギリシャ語の方言を話す町もあったり、イタリアなのだけどギリシャの島に迷い込んだような気持ちになるようなエリアもあるのです。
マテーラ
「マテーラ」はプーリア州ではありませんが、州境近くにありアルベロベッロ観光とセットで訪れられることの多い場所です。
巨大なすり鉢状になった台地の斜面に、時代時代に様々な変遷を経て今なお現存する洞窟住居がぎっしりとひしめき合う景観が、観光の見どころとなっています。
【2】美しい自然!
アドリア海とイオニア海に面し、視界いっぱいに広がるなだらかな大地や鍾乳洞など、プーリアでは恵まれた自然を存分に愛でることができます。
海
ブーツのかたちのイタリア半島のかかとの部分であるプーリアは、ぐるっと海岸線に囲まれていますので海を目にする機会が本当に多いです。
プーリアの海岸線は、海も景観もどこも大変美しいです。
なだらかな大地
山脈がないため、広々と広がるなだらかな土地にオリーブ畑とトゥルッリがぽつぽつと現れる風景は、どこに行ってもビルや山に囲まれる日本人にはこの上なくエキゾチックで開放感が感じられます。
青い洞窟
カプリ島の「青の洞窟」は有名ですが、実はイタリアには水面がきれいな青色に輝く洞窟は、他にもいくつかあり、プーリアにもその一つがあるんですよ。「Grotta Zinzulusa」と呼ばれています。
見たことのないくらい青い海の色に感激です。
- 青の洞窟(プーリア州)
- イタリア / 自然・景勝地
- 住所:SP358, 73030 Castro LE, イタリア地図で見る
【3】観光ずれしていなくて人が親切!
プーリアは、世界中から人の押し寄せる他のイタリアの観光地と違って訪れる観光客が多くなく、特にアジア人は珍しいせいか、皆さん親切に接してくれます。
明らかに外国人の私は「どこから来たの?」「どうしてプーリアに来たの?」などと声をかけられることがしばしばあり、おすすめの場所を熱心に教えてくれたり、とっても歓迎されている感じがしましたよ!
【4】食べ物が美味しい!
イタリアですので、当然のように食べ物が美味しいです。
食通は、同じイタリアでも地方によって食べられる料理が違うことから「イタリア料理と言う料理はない」と言います。
賞味期限がとにかく短く、よそでは滅多に食べられないブッラータチーズや、プーリアでしか作られていないかたちのパスタなど、あまり知られていないプーリアならではの美味しいお料理が、現地なら存分に食べられます!
そして改めて言うまでもなく、海に囲まれたプーリアは新鮮な海産物が豊富です!
また、プーリアはオリーブの名産地。他では買えない美味しいオリーブオイルに出会えるかも?
イタリアの他の地域に比べて物価がぐっと安いので、心置きなくお腹いっぱいになれるのもプーリアの良いところです!
- ガッリーポリの鮮魚市場
- イタリア / 市場・朝市
- 住所:Gallipoli porto,lecce,Italia地図で見る
【5】古い映画の登場人物になったようなタイムスリップ感!
プーリアは美しい自然に囲まれ、時代が止まったような場所。
ただ街を歩いているだけで、昔のイタリア映画のシーンの中にいるような気分になることが多々あります。
きっと何十年前も何百年前もこのままだったこの場所に、かつて住んでいた人たちはどんな生活を送っていたのかな...など思いを馳せながら歩くのもまた楽しいです。