イタリアは世界遺産の数が世界で一番多い国です。世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」は、マイナー都市トリノにあり、その王宮群の一つであるスペルガ聖堂(La Basilica di Superga)は小高い丘の上にあります。他に同じ世界遺産群として登録されているスポットは市内にありますが、トリノシティを見下ろすこの聖堂は、トリノを囲む丘の地上669mと最も高いところに位置し、存在を知らなければ素通りしてしまいそうな穴場スポットです。今回は美しい聖堂と登山電車についてまとめました。
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スペルガ聖堂について
トリノを囲む丘の中で最も高いところに建つ聖堂で、この建物はバロック様式の中で最も美しい建物といわれています。内部は彫刻や織物で装飾されており、天井は高さ75mのドーム型をしています。地下には1731年以降に亡くなった歴代王の墓が置かれています。
聖堂内に入ると、クーポラを取り囲むように取り付けられた窓からの光が入り、主祭壇をはじめ礼拝堂を飾る浮彫の彫刻が見事に照らされます。
ツアー見学もあり、中庭、法王の間、地下室の順番で見て回ることができます。また、クーポラに昇ることもできるので、天気の良い日にはアルプスの山々や茶色の屋根が連なるトリノ市街を一望できます。
堂内には美しいマリア像があります。トリノがスペインとフランスに取り囲まれた際に、町が救われるのならばと、聖母マリアのための聖堂を建てることを誓い、願いの通りに1706年、トリノが勝利しました。その際、フランスに対するサヴォイア王朝の勝利を記念して建築されたものとされています。
またスペルガ聖堂が有名な理由の一つに、「スペルガの悲劇」という悲しい歴史があります。これは1949年にイタリアのプロサッカーチーム、トリノFCの選手18名が乗った飛行機が、悪天候に見舞われスペルガの丘に激突、聖堂の裏に墜落し監督と選手23名を含む、乗客・乗員全員が亡くなったという悲しい事故です。裏手には彼らを追悼する聖廟が建てられています。
当時のトリノACはイタリアのトップリーグ、セリエAの強豪クラブとして名を馳せ、ファンからは "Grande Torino" (偉大なるトリノ)と称えられていました。
登山電車に乗ろう
スペルガまでのおススメの行き方は登山電車です。車でも行けないことはないようですが、今回はトラムでの行き方を紹介させていただきます。登山電車なんてなかなか乗る機会もないと思いますので、道中様々な豆知識を培いながら、ゆっくり丘を登っていくのには、無性に観光客気分が盛り上がりますよ。
この電車のスタート地点はサッシ駅(sassi)、1884年にケーブルカーとして始まった伝統が、今のスタイルへと変わった今も一昔前の旅の雰囲気と素敵な景色を提供し続けています。
サッシ駅からスペルガ駅を結ぶ約3,100メートルの路線で、緯度の差は425mあり、海抜625mのスペルガ駅まで登ります。結構急な坂道をあがっていくので、ゆっくりですが力強く、車両の窓からは季節によって様々な自然を楽しむことができます。
サッシ駅まではトリノ市内からですとライトレールか、バスで約20分~30分ほどで行くことができます。
絶景!スペルガからの眺望
シティを囲む丘ならではの美しい眺望が楽しむことができます。赤い屋根の連なるその向こうにはアルプス山脈が、晴れた日にはよく見えます。
トリノのアイコン、モーレ・アントネリアーナもよくみると見えます。モーレアントネリアーナの展望台からも少し小さいですが、スペルガ聖堂がみえるので記事中写真より見つけ出してみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか、派手でもなく決して大きいとも言えませんが、聖堂として聳えるその美しさは、丘から見るシティとアルプス山脈のパノラマ風景を含め、一見の価値がある素敵な場所だと思います。トリノを訪れた際は足を伸ばして、立ち寄ってみてください。
料金
週日:片道 € 2.00, 往復 € 4.00(約270円,530円)
土日:片道 € 3.50, 往復 € 5.50(約470円,730円)
- スペルガ聖堂
- イタリア / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Strada della Basilica di Superga 73, 101023 Torino地図で見る
- Web:http://www.basilicadisuperga.com/