
「世界の中心」と称されるウルル。エアーズ・ロックの名前で知られる世界一巨大な岩です。周辺には、風の谷のナウシカのモデルになったというカタ・ジュタなどの有名スポットもあります。オーストラリア大陸のど真ん中に位置しており、どの都市からも遠く行くのは大変。それゆえに、ツアーを利用するか、個人旅行で行くか迷う人も多いのではないでしょうか。そこで、「ウルルのツアー」だからこそ体験できる魅力あふれるMulga’s Adventure(マルガ・アドベンチャー)をご紹介します。
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Mulga’s Adventure(マルガ・アドベンチャー)人気の秘密
Mulga’s Adventure(マルガ・アドベンチャー)が主催するツアーで人気なのは、ウルル、カタ・ジュタ、キングスキャニオンをめぐる3泊4日のキャンピングツアー。18歳から49歳までの年齢制限があります。
実際に参加してみると、韓国からの若い女性や、30代のオーストラリア人夫婦、40歳のアメリカ人男性など、世界中の幅広い年齢層やバックグラウンドを持った人たちが参加していました。
エアーズ・ロックやカタ・ジュタはもちろんこのツアーのハイライト。しかし、筆者が最も魅力を感じたのは、まったく別の側面でした。
ウルルとアボリジニ文化を知り尽くしたツアーガイド
ウルル最大の目玉・エアーズ・ロック。空から眺めてやっと全景を把握できる大きさのこの岩は、近づくほどに信じられない威圧を感じ、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれます。
エアーズ・ロックの周囲を散策しながら、その巨岩の成り立ちやアボリジニが残したという地上絵についてツアーガイドが説明してくれました。
実は彼が、このツアー人気の秘密なのです。
アボリジニについて長年研究しているという彼。愉快なジョークを交えながら、知的好奇心をそそる情報をたくさん話してくれます。
中でも印象的だったのは、エアーズロックとカタ・ジュタの形成工程や組成物の違いについて。
エアーズロックは、6億年以上前に海底に堆積した花崗岩質の砂岩層が隆起し、侵食と風化によって固い部分だけが残ったと考えられています。それに対しカタ・ジュタは、もとはエアーズ・ロックよりも200mも大きな岩山で、小石が粘土と砂で固結した礫岩で構成されています。
他に目立った隆起もない平らで広大な砂漠地帯。その中で、たった60kmしか離れていない2つの巨大な岩山が、まったく異なる組成物でつくられていることに不思議を感じます。
ガイドの彼が説明してくれる内容を詳細まで聞き取るには達者な英語力が必要・・・。しかし心配は無用。言葉は分からなくても存分に楽しめるポイントが盛りだくさんのこのツアー。ツアーの3日間は、ウルルでしか体験できない驚きの魅力で溢れています。
ウルルならではのツアーの魅力
エアーズ・ロック、カタ・ジュタ、キングスキャニオン等のハイライト以外にも、ツアー中に体験できる魅力はまだまだあります。
自分たちで焼くカンガルー
キャンピングサイトは、電気もガスも通っており、あたたかいシャワーも利用できます。
夕飯はキャンプサイトに常設されている大きな鉄板を使って自分たちで料理します。
オーストラリアといえば「カンガルー」。そう、カンガルーの肉のステーキです。子どものお肉が最も柔らかく上質といわれる通り、獣臭さもなく、牛肉に似た味わいでした。
満天の星空の下で眠る夜
食事の後はキャンプ・ファイヤー。火の周りで語り合うのももちろんですが、一番の目的は、就寝時の寒さしのぎのため。テントの中で眠るのかと思いきや、なんと8月(南半球のオーストラリアでは真冬)にも関わらず、外で眠るのです。
スワッグと呼ばれる帆布でできた一人用の寝袋型テントに寝袋を敷き、満天の星空を眺めながら眠りにつきます。はっきりと姿を現す天の川の中に輝く南十字星。寒くはありますが、これ以上ないほどの贅沢なベッドでした。